幼馴染みが担任になったら【番外編】
「じゃあ、なんで…」
「だから言ったでしょ?照れ屋さんにはオススメだって。詳しく教えちゃうと面白くないから言わないけど、なんていうか、普通と違うのよ、内装も」
「どう違うの?」
「んんとぉ…… ヘンに固くならないですむ内装? まあいいじゃん、騙されたと思って行ってきなよ、ねっ?」
そんなこと、騙されたくないんですけど……
有無を言わさないって感じの瑞穂の眼光に、あたしはそれ以上突っ込むのを止めた。
よりによって、ラブホかぁぁ……
「だいだいねぇ、一番いいのは、一人暮らししてるようちゃんの家なのよ」
そう言って、まだ人のポテトを食べながら、呆れたようにため息をつく瑞穂の言葉に、あたしは口を尖らせた。
それはわかってる。
あたしだって、最初はそのつもりだったし。
だけど……
「自分の親に、彼氏の合い鍵握られてるのに?」
「……問題は、そこよねぇ…… もっとよく探しなさいよ」
「探したよ、充分。けど見つかんないんだもん」
「そっか… アンタんちの親なら、冗談抜きで娘のH現場に乗り込んできそうだもんなぁ……」
眉を下げて困ったように笑いを漏らす瑞穂は、ご愁傷様と呟きながら、今度はあたしの頭を優しく撫でてくれた。
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