幼馴染みが担任になったら【番外編】
……わっ… もうこんな時間!?
なんだかんだいって、時計の針は気付けば3時になろうとしていた。
あたしは今日は、バスで行くつもりにしている。
だから家を3時10分には出なきゃダメだったりするんだけど。
さっきまで用意万端だと思っていたのに、いざ時間が迫ると、なんだか忘れ物をしている気がしてしょうがない。
がさがさと荷物を確認して、もう一度時計を見上げた。
もう9分。
「よし、行こ!」
最後に鏡の前で自分に気合を入れて、階段を駆け下りた。
「うわっ…結構、あつっ…」
外に出た途端、むわんとした熱気を感じて、思わず着ていたカーディガンをばたつかせてしまう。
秋の気配が漂ってきてるとはいえ、今日も天気だったから、外は意外に暑い。
それでも夜はだんだん冷えてくるから、羽織モノは手放せないんだけどね。
しょうがない、今だけ脱ぐか……
仕方なく、カーディガンを腕にかけ、あたしはまたバス停まで歩いた。
ちなみに、耀太には『今日はお酒飲んでいいよ』って言ってあるから、多分車では行かないつもりにしてるとは思うんだけれど……
もしかして、バス停で会っちゃったり……?
ちょっと期待しながら着いた最寄りのバス停には、誰一人として立っていなかった。
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