幼馴染みが担任になったら【番外編】





……うー-……






刻々と過ぎる時間。






これは……いくらなんでも遅すぎやしないか……?





なんかトラブルでもあった?






事前に連絡するとドキドキ感が半減するような気がして、意地でも電話なんかするかって思ってたけど、さすがに15分も過ぎると心配になってくる。






電話、しちゃう……?






我慢出来なくなったあたしがケータイを開いたちょうどその時、






「あ、もしもし?ちょっとミカ!アンタ今どこに居んのよっ!すんごい探したんだからねっ!」






あたしが座る垣根の向こうから、少々お怒り気味の女の子の声がした。






「……はっ??誰に会ったって?………聞こえないってば……はっ??」






どうやら、はぐれてしまった友達と電話しているらしい。






「もうその話は後で聞くからさ、とにかく待ち合わせた場所まで戻ってきてよ」





多分、高校生だろうその子が、音量なんて気にした様子もなくマシンガンのように言葉を並べていくから、聞く気はないんだけど、思わず固唾を飲んで聞き入ってしまった。







「わかった?最初に待ち合わせた場所だからね!じゃあ、切るよ」






あたしも……昔はあんなんだったのかな……?






半年前までの自分を振り返りながら苦笑しつつ、向こうの電話が終わったのを見計らって発信ボタンを押そうとしたあたしの耳に、





「…わりぃ!遅くなった」






今度は焦ったような声が届いて、頭を包み込むほど大きな手がクシャッと撫でた。







ホント……





「……遅いよ、耀太」






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