幼馴染みが担任になったら【番外編】





顔を見なくたってわかる。





どうせ耀太は眉を下げて、困ったような、不安そうな、こっちが思わず抱きしめてあげたくなるような顔してんでしょ?






「マジでごめんなぁ……」





ほら、やっぱり。






怒ってるあたしがキュンッてしちゃったじゃん。






でも悔しいから、「ん…」なんて素っ気ない返事しかしないけど。






「……怒ってる?」



「べつに…… 遅れた理由次第では怒らない、かな」





ホントはもう怒りなんて引いてきてるけど、このまま許しちゃうのも悔しいから、そっぽを向きつつ意地悪を言ってみる。





すると頭をガシガシ掻きむしる音とため息が聞こえて、あたしはそっとまた耀太を見上げた。






「……会っちゃったんだよ、ちょっと厄介な奴に」





無意識に自分の前髪をいじりながら、ぽつりぽつりと話し出す耀太。






「厄介……?」



「そ…、ウチのせ…」



「あーーー!!!」






気まずそうに話す耀太の言葉を聞き漏らすまいとあたしが耳を傾けていると、いきなり誰かの叫び声によってそれが遮られたと思ったら、





「ようちゃんもう帰るって言ってたのに嘘ついたな!
ほらっ!ヤエ!あたしが会ったていうのはようちゃんなんだよ!」





立て続けに興奮したような、楽しそうな女の子の声が後ろから聞こえた。






だ、誰……?






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