幼馴染みが担任になったら【番外編】
「………」
一瞬言葉に詰まった耀太。
そんな耀太を不安な気持ちで見上げる自分。
頭ではわかってる。
耀太がモテるのは耀太のせいじゃないって。
だけど……
どうしても拭えない不安が自分の中にあるの。
元生徒という肩書から抜け出せないあたしは、耀太にはお荷物なんじゃないか、とか。
いつかあんな風に耀太を好きな子があたしの前に現れて、嫉妬に駆られて色んな噂を学校中にバラまくんじゃないか、とか。
完全に被害妄想なのはわかってる。
でも、ありえない話じゃないと思うんだ。
もしそうなったら、せっかく教師を頑張ってる耀太に、少なからず傷が付いてしまうのは避けられないはずで。
悪ければ……ク…ビ……?
ヤダ!それは絶対ダメ!
そう思った途端、自分の顔が歪んだのがわかった。
耀太に堂々としてろって言われてから、人目に付く場所でも出掛けてきたあたし達。
でも実際知り合いに会ったのは今日が初めてで、自分がこんなにテンパるとは思ってもみなかった。
やがて耀太は、深いため息とともにそんなあたしの腰から手を外し、代わりに向かい合うように肩に手を置いた。
「ああ、知ってるよ、池上の気持ち。何度か告白みたいなことされたからな……」
………ああ、やっぱり……
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