幼馴染みが担任になったら【番外編】
「……でも、ちゃんと彼女が居るって断った」
「ホントに…? でも、でもさ、さっき絶対ビックリしてた……」
2人とも、マジで!?って顔でぽか〜んとしてたもん。
「あれって、あたしの存在を初めて知ったって顔だったと思うんだけど……」
なおもあたしが食い下がると、耀太は少し悔しそうに自分の髪をクシャッと掻いた。
「それなんだよなぁ…
ぶっちゃけ、誰かれ構わず聞かれたら彼女居るって言ってんだけど……
アイツら全然信じてくんねぇの」
「なんで?」
「それがさ、不特定多数居るんでしょ、なんて言うんだぜ」
いつかの誰かさんみたいだよな…、そう小声で続けながらあたしを一瞬恨みがましい目で見た耀太は、子供みたいに口を尖らせた。
そんな耀太を見てたら、不安になってたことも忘れて、なんだか笑みがこぼれてくる。
「……ふっ…ふふふ…」
やっぱり耀太は耀太で、あの頃からちっとも変わってないんだなって、安心した、のかな……?
“遊び人”に見られる彼氏ってどうなの!?とはちょっと思うけど。
「笑うな」
「わ、笑ってない」
「嘘つけ!思いっきり笑ってるじゃねぇか!」
耀太からすり抜けて逃げるあたしを、怒りながら耀太が追いかける。
「あはははっ…」
グイッ−−
「捕まえた…!」
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