幼馴染みが担任になったら【番外編】
あたしと耀太は、お互いにプレゼントを渡す時は、一緒に買いに行くことに決めている。
『どうせなら、相手が一番欲しい物上げた方がよくね?』という、理数系ならではの耀太の合理的な考えからそう決めたんだけど。
意外にロマンチストな瑞穂からしたら、それは『ありえねぇ!面白みなさ過ぎ!』らしい。
でもあたしは、耀太の考えに賛同した。
だって欲しくない物貰って、素直に『ありがとう』って言えない性質(たち)なんだもん。
そうこうしているうちに、テーブルが料理と飲み物でいっぱいになった。
相変わらずビール党の耀太は、もうすでに3杯目に突入してる。
あたしは、もちろんウーロン茶。
だけどあんまり耀太が美味しそうに飲むから、隙を付いてジョッキをくすねて口に運んだ。
………ゔっ…マズッ…苦っ…
「なぁ…」
こっそり顔をしかめたあたしを、メニューに視線を落としたままの耀太が呼ぶ。
ドキッとしながらジョッキを置いて、そのままウーロン茶を飲んだ。
「今日、この後、どこに行くつもりにしてるんだ?」
……っ…!??
「ブッーーー!!!」
不意打ちの質問に、あたしの口から茶色いしぶきが飛び散った。
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