幼馴染みが担任になったら【番外編】





「……な〜にやってんだよ…」



「ご、ごめんっ!」





メニューから顔を上げた耀太の呆れた視線を感じつつ、あたしは隣の座布団に点々と残るウーロン茶のシミをガシガシ拭き取っていく。






耀太の奴、急に何言い出すかと思いきや……





ビックリしたじゃんか〜〜!!






自分の失態を全部耀太のせいにしながら。





………でも半分は、きっとあたしのせいなんだよなぁ。





そう思ったら、今度は下を向いてる顔にカァと血が集まるのを感じた。





実はまだ、肝心なことが言えてない、あたし。






どこでヤる……いや失礼、泊まるのかを。






さっきあのまま言えればよかったんだけど、




『え…!?あっ…そうか…』




とあたしの決意表明に驚いた返事をしながらも、次の瞬間には、




『とりあえず買い物行こっか』




と普通に言ってきたから、ついつい言いそびれてしまったわけで。





やっぱり、そこは気になるよね……?





チラリと耀太を盗み見ると、頬杖をついたまま、ん?なんて首をかしげられてしまった。





その様子がまるで、生徒が話し出すのを根気強く待つ教師のように見えて。





………うぐぐぐ…仕方ない……




あたしは意を決して、座布団にちょこんと正座した。







´
< 62 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop