幼馴染みが担任になったら【番外編】
「……な〜にやってんだよ…」
「ご、ごめんっ!」
メニューから顔を上げた耀太の呆れた視線を感じつつ、あたしは隣の座布団に点々と残るウーロン茶のシミをガシガシ拭き取っていく。
耀太の奴、急に何言い出すかと思いきや……
ビックリしたじゃんか〜〜!!
自分の失態を全部耀太のせいにしながら。
………でも半分は、きっとあたしのせいなんだよなぁ。
そう思ったら、今度は下を向いてる顔にカァと血が集まるのを感じた。
実はまだ、肝心なことが言えてない、あたし。
どこでヤる……いや失礼、泊まるのかを。
さっきあのまま言えればよかったんだけど、
『え…!?あっ…そうか…』
とあたしの決意表明に驚いた返事をしながらも、次の瞬間には、
『とりあえず買い物行こっか』
と普通に言ってきたから、ついつい言いそびれてしまったわけで。
やっぱり、そこは気になるよね……?
チラリと耀太を盗み見ると、頬杖をついたまま、ん?なんて首をかしげられてしまった。
その様子がまるで、生徒が話し出すのを根気強く待つ教師のように見えて。
………うぐぐぐ…仕方ない……
あたしは意を決して、座布団にちょこんと正座した。
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