幼馴染みが担任になったら【番外編】
さっき耀太と別れた場所ってどこだったけ……
相変わらず、酔っ払いのサラリーマンやらお水のお姉様方で賑わってる道を、キョロキョロしながら歩く。
するとお見送りを受けてるオッサン3人組の向こうに、見慣れたダークブラウンの頭を見つけた。
居た!絶対アレだ!
後ろ姿だけど、頭しか見えてないけど、あたしは確信を持ってその人物へと近づく。
そしてあと1mってとこまで来た時、後ろから飛びつくことを思い付いて、ニヤリとほくそ笑みながら両手を広げて飛ぶ態勢を取った。
「……よ、」
その瞬間−−−
「やだぁ!耀太ったらぁ」
耀太の向こうから、甘ったるい女の人の声がして、
………えっ…
耀太の腕に華奢な腕が巻き付くのを見てしまった。
だ、誰……
両手を広げたまま、あたしの胸が苦しいくらい速くなる。
呆然と立ちすくむあたしの目の前でわずかに体をよじった耀太は、
「……麻美も相変わらずだな…」
ため息混じりに呟いて、絡む腕をゆっくり引きはがした。
あたしはその様子を、まるで悪夢でも見てるかのように見つめ続けた。
………麻美って……まさか……
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