幼馴染みが担任になったら【番外編】
しばらくすると、笑い過ぎたあたしのために、耀太は飲み物を買いに行ってくれた。
「相変わらず優しいわね、耀太」
その背中を見送りながら、ようやく落ち着いてきたあたしに麻美さんがニヤリと笑う。
「楓ちゃんにはとくに」
その顔が妖艶過ぎて、思ってもみなかったことを言われて、顔がカーッと熱くなった。
「あのっ、すみませんでした!
泣いたり笑ったり、あたしってばわけわかんないですよね……」
「うふふ… わけがわからないこともないわよ。
今も昔も、あたしに嫉妬したんでしょ?」
「……う…///」
「赤くなっちゃって、可愛いわね。
安心して、ホントにあたし達何にもないから」
「あたしは……可愛いくなんてないです。さっきも耀太の生徒に嫉妬したばかりだし……。子供なんです」
今だって散々取り乱しちゃったしね……
「あら、あたしは逆に羨ましいわ。素直に嫉妬できて」
「羨ましい……ですか?」
「そうよ、イヤなものはイヤって言葉か態度で表さなきゃ伝わらないの。男はたいてい鈍感な生き物だから」
そこまで言うと、麻美さんは哀愁漂う顔で小さくため息をついた。
なんだかそれさえも妖艶で、あたしはその横顔にほぅっと見とれてしまった。
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