幼馴染みが担任になったら【番外編】
バナナ伝説と2人の未来
ガチャ−−−
「どわああぁ!?」
「すっげ……」
選んだ部屋のドアを開けると、その向こうは……
「……っていうか、ジャングル?」
だった。
「う〜ん… 白本の趣味を疑うな」
「マジで…」
建物に入るのにもおっかなびっくりのあたし達だったんだけども。
こりゃ、中に入る方がもっと勇気がいるって感じで。
「なるべくゆっくり行こうね……」
どこからかカラフルな鳥が出てきてもおかしくない状況の室内に、あたし達は恐る恐る足を踏み入れる。
「ひょええ…!?ぬおお…!?」
「……わかったから、そのヘンな叫び声はやめろ」
あたしの声に思いっきり顔をしかめた耀太だけど、至る所に、
バナナ!
バナナ!
そしてバナナの木!
の部屋に、やっぱりど肝を抜かれてるみたい。
「うわっ…!?」
なにげに落ちてたバナナクッションに蹴つまずいてるし。
……ふふん、ざまーみろ!って感じ。
「……にしても落ち着かねぇな。猿かオラウータンの飼育部屋に迷い込んだ気分だ……」
「……まさにそうだね」
たくさんの観葉植物とバナナ達に囲まれて、あたし達はしばし呆けてしまった。
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