幼馴染みが担任になったら【番外編】
「どう?思い出しましたか?藤村さん」
「……ううぅ…///」
耀太は余裕の笑みを浮かべて、片手に持ったビールをゆるく揺らしながら、真っ赤になってるあたしを意地悪く覗き込んでくる。
な、なんか、ずるいっ……
こういう時だけ教師風吹かせちゃってさ……
その態度が悔しくて顔をプイッと背けると、視界の端に、さっきまでは見てもなんてことなかったベッドが、やけに生々しく映り込んできて、ギョッとしてしまった。
あわわわ……
見てはいけないものを見ちゃった気分……
「な?俺が白本の意見になるほどって言った意味がわかっただろ?」
「ま、まあ……」
つまりはこういうことでしょ?
ヘンに固くならいですむ内装ってのは、
バナナに気を取られて緊張せずにすむ、みたいな。
…………っていうか、
あたしってば気を取られ過ぎじゃん!!
思いっきり、寛ぎ過ぎじゃん!!
「あはは…… 瑞穂の思惑にまんまと引っ掛っちゃったみたい……」
「……バナナ効果絶大だな」
そう言って、ヘラヘラ笑うあたしを見て自嘲的な笑みを浮かべた耀太は、喉をゴキュッと鳴らしながらビールをあおった。
「………」
………ええっと……なんだろう?
なんとな〜く気まずくなってきてる気がするのは、あたしの気のせいかなぁ…?
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