幼馴染みが担任になったら【番外編】
「……よ〜うた」
こんもり盛りあがった布団の部分をあたしが突っつくと、
「………なんだよ…」
中からくぐもった声が返ってくる。
「機嫌直して?ね?」
「別に悪くねぇし」
「じゃあ、顔見せてよ」
「………ヤダ」
なかなかの強情者。
こうなったら………
「えいっ!!……うわっ…!?」
力いっぱい布団を引っ張ると、意外にそれは簡単に舞い上がった。
おかげで転びそうになったあたしの腰に、耀太の太い腕が巻きつく。
「……ったく…、危なっかしいな…」
「ごめんなさい……」
「ほら、布団戻して、ここ座って」
「……はい…」
いつの間にやら形勢逆転?
しゅんとして枕元にちょこんと正座するあたしを、布団に転んだままの耀太が肩ひじを付いて見上げてる状態で。
「もうちょっと、考えて行動しろよな」
「……すみません」
なぜかお説教されてるし。
「少しは反省した?」
くそぉ…、さっきまではあたしの方が優勢だったのに……
「……してるもん…」
口を尖らせて渋々頷くと、数秒の沈黙の後、なぜか耀太は盛大なため息を吐き出しながらベッドに転がった。
「………バカみてぇ…」
……バ…カ…?
な、な、なんですって!?
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