『BE YOU』
あーあ、ここで『今日はお前と帰る』
ぐらい言ってくれればいいのに。

べーっと舌を出したあたしに
その切れ長の目を少し
吊り上げた瞬ちゃんを置き去りにして、
女の子のグループの脇を早足で通り過ぎる。

すれ違ったその瞬間、
おもいっきり悪意のこもった視線を
向けられていたのは気のせいではないだろう。


「ね、あの子?松下流衣」

「そう。いっつも一緒にいるんだよね」

「チョーうざくない?邪魔だっつーの」

「妹とかじゃないの?」

「兄妹じゃないらしいよ。
 苗字違うじゃん」

「彼女じゃないんでしょ?
 だって・・あれじゃ、ねぇ?」
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