『BE YOU』
ほんっとに失礼!!


瞬ちゃんの隣に釣り合わないなんて、
自分でしっかり気付いてるよ!!


それに、あたしの名前なんて
どこで知ったのよ!

コソコソと、でもしっかり聞こえるように
話す女の子達の声に、妙にいらつく。


たまには言い返してやろうかな。


柄にもなくそんなことを考えて
歩く速度を少し緩めたその時、
耳に飛び込んできたのは。

どこぞのアイドルでも見つけたのか、
と言いたくなるぐらいの黄色い歓声と、
「いつもありがと」なーんて
甘く優しく返事する瞬ちゃんの声。


「・・・ばかじゃないの」


ポツンと呟いた言葉が空しく冷たい空気に
溶けていくのを感じて、仕方なく足を速めた。
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