そして秘密の〜番外編〜

≪涼≫

～未来予想図～

９月のある日。

仕事帰りに、何気無く本屋に立ち寄った。



そこでレジに並ぶと、偶然、美雪とバッタリ一緒になり驚いた。

美雪の家からは少し離れているので、会計が終わってから訊いたら、『今日は家に誰も居ないから寄り道していた』と言う答え。



俺が今までたまに寄り道していて、生徒に会ったのは初めて。

美雪とは『やっぱり運命の赤い糸で繋がっている』と乙女チックな事を思ってしまっても、仕方無い偶然だ。



電車で来たと言うので、心配だから車で送る事にした。

『誰かに見られたら』と心配する美雪だったけど、夜道を１人で帰せられる訳が無いだろ？



渋々承諾する美雪を乗せて車を走らせていたら、俺は素朴な疑問と、最近考えていた事を話すいいチャンスだと思った。