そして秘密の〜番外編〜
「分かった。じゃぁ、今日はカレーにする」



表情を変えてニッコリ笑い、そう言う美雪が愛おしくて、俺は左手を伸ばして髪をクシャと撫でた。

美雪はちょっとハニカむような表情をした後、嬉しそうに笑った。



ああ、そうだ。

よくよく考えたら、こうやって美雪に触れるのは、お互いの気持ちを確認しあった夏休み明けのあの日以来だ。



ほんのちょっとの触れ合いでも、俺達は『触れられる所に居る』と感じる事が出来て、嬉しかったのかもしれない。



信号が青になり、俺は再び車を走らせた。

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