そして秘密の〜番外編〜
自分の気持ちより、俺の事を考えてくれる……そんな美雪にも、惚れてるんだろうなぁ、俺。
そう思う自分に、思わずクスッと笑ってしまう。
「何? なんで笑うの?」
「いや、それでこそ『俺が惚れた美雪』だなぁ、と思ってさ」
「はぁ? 何、それ」
美雪は不思議そうに言った。
深くツッコむなよ……『俺が惚れた美雪』って言ったって、それはほんの一部にすぎないんだから。
俺は内心、そう思いながら立ち上がり、車のキーを取りに隣の部屋へ行った。
台所に戻ると、美雪はちょっと拗ねた顔をして、俺をジーっと見ていた。
ったく。
「まぁ、気にすんな」
「気になるでしょ?」
即答された。