そして秘密の〜番外編〜
そうだよな、考えてみたら俺だって、おまえが俺の何処に惚れたのか……気になる。

でも、もし俺が訊いても美雪は絶対答えないだろうから、俺も教えてやらない。



だけど。

いつも我慢させているお詫びに、ちょっとだけ美雪が喜びそうな事を教えてあげよう。



「そう言えば、今、結構偉そうな事言ったけどな、そうでもなかったりする時もあるんだ」

俺がそう言うと、美雪は『えっ?』と言う表情をした。



「おまえ、男子バスケ部のみんなに、下の名前で『美雪』って呼ばれてるだろ?」

「あっ、うん。お兄ちゃんが居るから、名字で呼び捨てるとお兄ちゃんを呼び捨てしているようで嫌だ、って言ってね」



首を傾げる美雪。

< 299 / 502 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop