そして秘密の〜番外編〜
「美雪」

「何?」

「おまえ、俺ん家の鍵、どうしてる?」



俺のセリフに、美雪は自分のバッグから鍵を取り出した。

美雪らしいシンプルな鈴に、鍵が3つ付いていた。



「別々にしてると無くしそうで怖いから、自分の家と自転車の鍵と一緒にしてたんだけど」

「ちょっと貸して」



俺が手を出すと、美雪がちょっと首を傾げながら渡してくれた。

俺は袋の中からキーホルダーを取り出し、そのまま鍵を3つ付けて返した。



「はい」

美雪はそれを受け取ると、キーホルダーに気が付いて、指先で触って見ていた。



「涼、どうしたの、これ?」

「今日の記念に、プレゼント」

そう言って、俺は既にお揃いのキーホルダーを付けていた自分の鍵を、美雪に見せた。


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