そして秘密の〜番外編〜
美雪の家から十数m離れたT字路。
この角を左に曲がって4軒目が、美雪の家。
家の目の前だと、家族が迎えに出る可能性もあると思い、『ここでいい』と言われて停めた。
「今日はありがとう、涼」
いつもは別れ際、淋しそうな美雪だったけど、今日は明るい笑顔でそう言った。
きっと、今まで漠然と抱えていた不安をぶちまけて、思いっきり泣いたから、すっきりしたんだろう。
「初デート、俺も楽しかったよ」
『初デート』と言う言葉に反応したのか、美雪はちょっとハニカむように軽く俯いた。