そして秘密の〜番外編〜

美雪の家から十数m離れたT字路。

この角を左に曲がって4軒目が、美雪の家。

家の目の前だと、家族が迎えに出る可能性もあると思い、『ここでいい』と言われて停めた。



「今日はありがとう、涼」

いつもは別れ際、淋しそうな美雪だったけど、今日は明るい笑顔でそう言った。

きっと、今まで漠然と抱えていた不安をぶちまけて、思いっきり泣いたから、すっきりしたんだろう。



「初デート、俺も楽しかったよ」

『初デート』と言う言葉に反応したのか、美雪はちょっとハニカむように軽く俯いた。

< 398 / 502 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop