そして秘密の〜番外編〜
その時、遠くの方から人の話し声が聞こえてきて、ハッとした。



俺はなんとでも誤魔化せるけど、隆志はもうそろそろ戻らないとマズイだろう。

なんてったって、現・演劇部部長だからな。



無言で固まっている隆志の方に歩いて行き、俺は肩を軽くポンと叩いた。



「もうそろそろ戻らないと、みんな心配するんじゃないのか? 明日で部活引退だろ? 頑張れよ?」

そう言って俺が校舎へ戻り掛けると。



「沖野先生」

隆志に呼び止められて、俺は振り返った。



「今、ここで話した事は」



ずっと隆志が秘めていた気持ちだろ?

誰にも話せねぇーよ。

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