そして秘密の〜番外編〜
「残念ながらお手製ではないけど、彼女と色違いのお揃いだったりして? な~んてな」

俺は他の生徒への返事とは違う、美雪にだけ分かる返答をした。

チラッと美雪を見ると、さっきまでの微笑みが変化し、ちょっと嬉しそうに笑っていた。



「うわっ、気になる~。それってマジ? ジョーク? ん~、どっちなんですか?」

「えぇ、マジだったら、ペアのエプロンして2人で台所に立ったりするのぉ? ラブラブじゃん」



しまった!

美雪を喜ばせようとしたら、伊藤と佐伯の好奇心に火を点けてしまったようだ。



でも。



さっきまで固い顔をしていた美雪が、今の言葉に反応して、顔を赤くしてるのに気が付いた。

多分、まだした事も無いけど、2人でペアエプロンしている所を想像してしまったんだろう。



ダメ……ここは伊藤と佐伯の言葉を否定するより、美雪を優先。

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