そして秘密の〜番外編〜
「私は誰になんて言われようが、涼が私の傍に居てくれるだけで、幸せなの」

「美雪」

キッパリ言い切る美雪に、俺は名前を呼ぶだけで、何も言えない。



「涼が幸せになれる選択って、何?」

「俺の幸せ?」

「そう」



再び美雪に訊かれると、答えを出さないといけない気がして、考えてみた。



俺が幸せなのって、どう言う時だ?

そう思った瞬間。



俺の頭の中に浮かんだのは……楽しそうに笑う、美雪の笑顔。



そうだ……俺、美雪が笑っているのを見ると、自然と心が温かくなるんだ。

美雪の笑顔を目の前にすると、俺もつい笑ってしまうんだ。

美雪が幸せそうに笑っている事が、俺の幸せ。

もう淋しい思いをしないように……。

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