そして秘密の〜番外編〜
「……ああ」



お互い、いろいろ思い詰めていたから気にしてなかったけど……よくよく考えたら、美雪にとっては初めての事だろうなぁ……。

合鍵を使う事も出来なかったのに、独り暮しの彼氏の家で風呂に入るなんて……まぁ、全然ロマンティックなシチュエーションじゃねぇーけどな。



そう思って、つい笑ってしまう。

そして、真っ赤になっている美雪を見ていたら、からかいたくなってきた。

もうすっかり、いつもの俺。

俺は美雪を後ろから抱き締めると、わざと耳元で言った。



「大丈夫。残念ながら、さっきは覗いてないから」

「や、な、『残念』って」



やっぱり、それで照れてたのか。

動揺する美雪が可愛いので、益々、からかいたくなる。

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