バツゲームな彼女
二人で帰れることにはなったけど、お互いに話しをすることができない。
僕はせめてメールアドレスだけでも聞こうと機会を伺ったが、終に一度も話しを切り出せないまま白川さんの家に着いてしまった。
今日は金曜日だからもう来週までチャンスはない。
僕は少し焦ったけど言葉にすることができなかった。

「あの、アドレスを教えてくれませんか。」

僕が言えなかった台詞は白川さんの口から飛び出した。
「よ、喜んで。」
僕は嬉しさのあまり少し声が裏返ってしまった。
白川さんはクスッと笑った。
僕の見た白川さんの初めての笑顔だった。
僕は照れながらアドレスを交換して、白川さんが家に入って行くのを見届けてから帰った。
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表紙・目次

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