若者よっ!!
青春? ンな生ぬるいモノじゃねぇ
春はうららかに。
アクビを噛み殺しながら先生の眠たい授業を聞くのも一興。
こうやってのんびりと高校生活を送っているのは隣のクラスの名も知らぬ子だろうか。
私?
無理に決まってる。
「世界征服となると…やっぱり武器とかいっぱいいるよな?」
今は世界史じゃないよ。
「それもそうだが太一くん。この世には言葉という素晴らしいアビリティがあってだね…」
国語でもない。
「センセー、頭が悪いので保健室行ってきます」
それは私もだよ。
「センセー、亡くなったおじいちゃんが急病なので早退します」
ちなみに私のおじいちゃんはピンピンしてますが。
ん?先生もクラスの人たちも私を何で見てるのかな?
そんな助けを乞うような目で見られても困っちゃう…
「西山……」
「西山さん……」
……分かった。分かりました。
言えばいいんでしょ。いつものセリフ。
立ち上がって深呼吸一回。
「いい加減にしろっ!!」