王国ファンタジア【戦場の民】
 その言葉に一気にざわめく民たち。族長は冷静に手を数回叩くと、話を聴くようにと促した。

「はいはい落ち着けー。この通り連絡が来たって事は…なんでだかは解るよな?」

「討伐の依頼でしょう?!だったら早くチームを編成して、王国に向かわないと…!!」

族長の問いかけに、一人の男が自棄になって答える。

「だから落ち着けって。その通り討伐の依頼だが、この手紙は他の種族にも行っているんだ」

「どういうことです?」

別の男が訊いた。

「一つの種族の力では、どうにもならないほどヤバイんだろう。手紙の内容によると、一つの種族につき一人の戦士が招集されることになっている――…なので、これから私は王国へ向かう戦士を選抜しようと思う」

再びざわめくホール。
族長はまた手を叩くと、こう言った。

「はい、じゃあ集会はこれで終りだ。誰が選抜されるか判らないので、気を引き締めて置くように。あと、エークとキルテ!朝食が済んだら直ぐに私の部屋に来るように!!以上!」

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