王国ファンタジア【戦場の民】

「単刀直入に言うが、王国からの戦士の招集の件――…キルテ、お前に行ってもらいたい」

「はぁ?」

 族長の言葉にますます眉間に皺を寄せるキルテ。
目付きをより一層悪くして睨み続ける。


「待ってください、こいつは…!」

 男が何か言おうとするのを無言で止めてから、族長は話を続けた。

「あとエーク。お前もだ。お前もキルテと共に王国へ向かってくれ」

「…俺も、ですか?」


 族長はエークが眉をひそめるのを見ると、言葉が足りなかった事に気付き、更に付け足した。

「確かに民の中から一人を選抜すると言ったが、場合によっては二人でも良いそうだ。キルテはまだ子供だし、お前がいた方が安心だろう?」

「だったらエークだけ行かせればいいじゃねーか」

キルテが族長の話に割って入ってきた。すると族長は視線をキルテに向け、答えた。
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