王国ファンタジア【戦場の民】
「――…なあ、どうするんだよ」
食事も済んで、お互いに休んでいた中、突然キルテが切り出した。
「どうするって?」
エークは質問を質問で返す。
「…王国のやつ」
「それだったらキルテによるよ。俺はあくまでキルの付き添いなんだし」
「…キルは族長の事、好きじゃないよな」
少し間を置いて今度はエークがキルテに訊いた。
「…アイツ、きっとオレの事物凄く嫌ってるぜ」
「なんでそう思うんだ?」
「他の奴と居る雰囲気と俺が近くに居る雰囲気が全然違う。
さっきみたいに話してる時も、それ以外の時も、オレが居ればアイツはずっと殺気出してた。
…多分、オレを討伐に行かせようとするのは、オレを上手く消したいからなんじゃねーか?ドラゴン強いらしいし」
キルテは笑うように話すと、後ろにあったベッドにもたれ掛かって天井を見上げる。
「…そうか」