王国ファンタジア【戦場の民】
「キルのその考えはちゃんとした核心が無いから、否定も肯定も出来ないけど…
仮にその考えが合っているとするのなら、そうなると族長は俺も消したがっている事になるな」
「はぁ?!なんでだよ?!エークは俺と違って他の奴らに好かれてるじゃねーか!!」
エークの言葉に飛び起きたキルテは、エークに詰め寄った。
「…ここからは推測だけど」
そう前置きをすると、エークは自分の考えを話始めた。
「恐らく族長は保守的な考えの持ち主だ。この組織は、もともと戦場の民だけで形成されていた組織だろ?
でも俺は戦場の民の血を引かない部外者。
ならば族長は、その部外者をいち早く追い出したいと考えるはずだ。
しかし俺は先代族長の好意で組織の所属を許されている人間。
そう簡単には追い出せないだろう――となると…」
「…今回の件は邪魔な奴を追い出すにはいい理由になるってことか」
「…あくまで推測だけど」