王国ファンタジア【戦場の民】
「ハッ…上等じゃねーか。今すぐ叩き切ってや…」
「あくまで推測だって」
頭に血が上り、部屋から出ようと立ち上がったキルテを、エークは座ったままキルテの腕を掴んで止めた。
「もう一回座って落ち着け?」
腕を掴まれた事で、平静さを取り戻したキルテは床に腰を下ろした。
「じゃあどうすんだよ?アイツの思惑通り、王国に行くのか?でもまぁ、ドラゴンごときに殺られるつもりも、さらさらないけどな」
「…キル」
「なんだよ?」
キルテは不機嫌な態度で返事をする。
「キルがもし良かったらなんだけど」
「?」
「――…俺に提案があるんだ。ちょっと乗ってみないか?」