王国ファンタジア【戦場の民】
 月明かりに照らされ、闇から現れたのは少年…

まだ幼さが残る少年だった。

「……ハッ」

少年は男を鼻であしらうと、さっさと方向転換をして森の奥へと姿を消した。


「…ムカつきますね、あいつ。一回懲らしめましょうよ」

 リーダーの男に他の男の一人が近づき、言った。


「…いや、それは止めておいた方がいいだろう」

「それはまたなんで?」

「お前もあいつの目を見ただろう。下手をしたら、こちらの方が…」






「――…殺されるぞ」





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