王国ファンタジア【戦場の民】
「あだっ」

「あ」

 内側から布団を掴んでいたいたようで、ベッドで寝ていた人間はベッドから転げ落ちた。

「ってぇ…何すんだよ、エーク」

頭を片手で押さえ、起き上がるのは昨夜の少年。


「ごめん、キルテ。まさか落ちるとは思ってなかった」

少年…キルテにエークと呼ばれた青年は素直に謝った。


「で、なんだよ?」

「なんだよ、じゃないだろ?朝の集会があるのに、さっさと来ないから呼びに来たんじゃないか」

「どーせ、くだらねぇ長話聞くだけだろ。行くだけムダ…」
「はいはい」

 エークはキルテの言葉を遮ると、彼に着替えを渡す。


「じゃあ俺は、部屋の前で待ってるから。窓から逃げたりするなよ」

そう言うとエークは部屋から出ていき、扉を閉めた。
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