欠陥主義者
ティータイム
湯気でくもったスプーンで掻き混ぜている。

突然指を止めた彼女に気付いた私はちらりと視線を投げた。

カップの中の紅茶が、次第に落ち着きを取り戻していく様子をまじまじと見つめている彼女。

「こうはなりたくないわね」

私の視線に気付いた彼女はそう笑ってスプーンの先を口につけた。

「えぇ」

意味はわからないけれど、適当に相槌を打っておけば彼女は満足する。




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