my catty girl~もし私がネコになっても~
学の目は涙で潤んでいた。悲しい…笑顔で…。
「言わなくても、お互いわかってる…って…思ってたけど…そういうのが春乃にとっては中途半端で、優柔不断にうつったのかな…」
そんな…
そんな事ないよ…
「せめて今日まで待ってくれてたらなぁ…」
本当にそうだよ…
「まぁ…それも自分本位な考えだったな。もっと…相手の気持ち、考えてあげられるようにならなきゃな…」
相手の気持ち…
ごめん…
考えてあげられなかったのは私の方…
よりによってクリスマスイヴに…。もっと冷静でいられたら良かった。ケンカみたいになったとしても、帰るべきじゃなかった。
あの場できちんと向き合っていたら…。
「そうだ」
学は何か思いついたように私の頭を撫でた。その手は少し冷たかった…。
「おまえの名前…ハルにしよう」
えっ!?
「あー…いや…」
…?
「やっぱり、ハルノだな。最後に「ノ」がついてるのが可愛いよなぁ」
…
「それに毛の色とか、もこもこしてるのも春乃っぽいよ」
あ、確かに…今の私は完璧にネコヴァージョン春乃だわ…あの外ハネも、ネコに置き換えるとペルシャみたいになるわけね…
「あっ、そうだ!春乃と言えば!」
な、なに?次は。それにしてもネコ相手によく喋るなぁ…まぁ、そういうところも学らしい…か…