my catty girl~もし私がネコになっても~
星の降る夜
時刻は夜、10時半―。
学は駅近くにあるイルミネーションツリーの下で人ごみの中、知念麻美を待っていた。
あまりの寒さで、赤いチェック柄のマフラーに顔をうずめた。
「学!」
彼女は笑顔で駆け寄ってきた。
「バイト、お疲れ様。待たせちゃってごめんね」
「大丈夫だよ。それより話って何?」
「い、いきなり~?ちょっと…どこかに入って話さない?」
「うーん…実は今日、急に早く帰らなきゃいけなくなって…ごめん」
「それって…何か用事があるの?」
「んー、うんっ、まぁそんなところかな」
「じゃあ、学の家に着くまでお話ししてもいい?」
「それなら俺は構わないけど…帰りひとりじゃ危ないだろ?」
「ううんっ、いいの。だって学は忙しいんだし、ちょっとでも…一緒にいたいから」
麻美は伏し目がちにそう呟いた。