my catty girl~もし私がネコになっても~
「あー、そうそう、そうだ」
?
「今夜、流れ星が見られるんだってさ。せっかくだからハルノも見るか?」
…さっき、
2人を見つけたばかりの時よく聞こえなかったけど、流れ星の話だったのかな?
「確か2時とか言ってたけどもう見られるかな。ここ3階だから、眺めは微妙かもしれないけど」
時計の針は12時過ぎをさしている。
上着をはおって、ベランダに出ていく彼のあとを追い掛けた。
お風呂からあがりたての学の息が、まっしろに浮かんでは消えた。
学の顔はまだ火照って赤いまま。
「…んー、見えないね。方角が違うのかな。まぁ、まず時間が違うんだけどね~」
そう言うと私を抱き上げて、開いていた上着の中に入れ、ボタンを閉じた。
「ほら、これであったかいだろ?」
あったかい
心も、やっと。
…人に戻りたい。
もし流れ星が見られたら、真っ先にそう願う。
今までの私ならきっと、学に好かれますように、とか…そういう、努力とは無縁の願いしか浮かばなかったと思う。
だけど、もう今は違う。伝えたいこともある。人に戻れたら、何だってできるはず。
「ぁ、今っ」
!
「流れてたよ」
嘘、見逃した…
「俺も願いごとしなきゃな」
次の瞬間、流れた星に私は願いをかけた。
だけど
すぐには叶ってくれないよね―。