アタシの弟。

細やかな幸せ




リリリリリリリリーッ

リリリリリリリリーッ

リリリリリリリリーッ

リリリリリリリリーッ

リリリリリリリリーッ



「うるさいな…」



あたしは目を閉じたまま、手を頭の上の目覚まし時計に伸ばしてアラームを消した。


もっと寝たいっつーの!


…あと5分………


あと5分で起きるから………



「雅ーっ!
早く起きないともう遅刻よ?」

「………うそーっ!?」



慌てて飛び起きて、時計を見るといつも家を出る時間。


ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!


早く着替えないと!!!!!



「おはよう。
早く行かないと遅刻よ?」

「分かってる!」



着替えて下に降りると、お母さんがいつもの様子でトーストを食べていた。


あたしの名前は結城雅(ユウキミヤビ)。


ごく普通の女子高生。


…普通、よりちょっとバカ?


んでもって、おっちょこちょい。



「絶対間に合わないーっ」



…今日も寝坊しました。


髪の毛ぐちゃぐちゃ。


かなりヤバイ状況…



「絶対間に合わねぇな」



ちょいっと洗面所を占拠していたあたしの横から顔を出した。



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