アタシの弟。
そしてあたしは眠りに落ちた。
ふぅー………。
くすぐったい。
ふぅー………。
こしょばいって!
「…あ……れ………?」
目をあけて、周りを見回すと、誰もいない。
教室を見ても…誰もいない。
「誰も…いない………」
「どこ見てんだよ」
「瑠唯っ!!!」
思わず後退った。
なんで瑠唯が!?
授業中のはずなのに…
「みんなは………?」
「とっくに帰りましたけど」
嘘っ!?
窓を見ると、もう日が傾いていた。
「………寝過ごした!!!
なんでもっと早く起こしてくれなかったのよ~!!!!!」
「起きなかったんだもん。
芹沢が起こしても、先生が起こしても、田所や西園寺が起こしても。
しょうがねぇじゃん」
あたし、そんな爆睡してたの!?
恥ずかし………
「…ほら、帰ろ」
まだ壁にもたれて座り込んだまま、顔を真っ赤にしているあたしに瑠唯が手を差しのべた。
「…うん」
…こんな些細な優しさが好きだったりする。
いつも冷たいけど、こんな時は優しいから…