アタシの弟。
ずっと感じていたいけどね。
そんなワガママ、許されることじゃないから…
「…帰ろっか」
手をのばしたのは、あたしだった。
「…うん」
やっぱり瑠唯は、こんな時だけかわいい弟だ。
でも…、繋いだ手はあたしよりだいぶ大きい。
瑠唯のが身長も高いから、全然あたしがお姉ちゃんだなんて思ってないだろうな。
「…ってかさ」
「なに?」
「姉弟なのに、いいわけ?
手なんか繋いでさ」
「…いいんじゃない?
逆に姉弟なんだから。
昔は普通だったじゃん、手繋いで帰るなんて」
「そっか」
…いいよね?
今日ぐらい。
瑠唯もきっと、いつか他の女の子とこうやって帰るんだろうなぁ…。
あたしはありえないもんね。
恋愛対象外だよ。
…だって、お姉ちゃんだもん。
ガマン…しなきゃ。
「…瑠唯さぁ………」
「ん~?」
「あたしのこと、お姉ちゃんだって思ってる?」
「思ってない」
「…やっぱり」
そりゃたった1日違いだしね。
双子同然じゃん。
…それに、初めて会ったのが物心ついてからだったしね。