アタシの弟。
お姉ちゃんというより、友達?
…あたしは、そうであってほしかったけど………
友達なら、こうやって同じ家に帰ることはなかったもんね。
あたしはやっぱり、お姉ちゃんでいいや。
…家の前。
なんとなく手を離した。
2人して同じタイミングだったから、ほどいた手を見て笑った。
…きっと、同じことを思って離したと思う。
だって、家に入るとそこはまた学校とも違う、“姉弟”という肩書きの中で暮らさなきゃいけないから…
なんて思ってるのは、たぶんあたしだけ。
瑠唯はただ単にお母さんに怪しく思われたくなくて離したと思う。
あたしもそんな思いがないこともないけどね。
「ただいまー」
家に帰ると、お母さんがキッチンで晩ごはんを作っている最中だった。
「おかえりー。
…って、雅と瑠唯一緒に帰ってきたの?
また珍しいわねー」
「…あはは。まぁねー。
あ、お母さん手伝うよ!」
話をごまかしたくて、お母さんにあたしが言った。
瑠唯はダイニングに座って、だらーんとしてる。