アタシの弟。



教室中にピンと緊張した空気が張りつめる。


ドキドキする………。



「では…、ロミオ役から………。
ロミオ役に決定したのは……、…結城瑠唯くんです!」



女子から歓声の声があがった。


やっぱり、ロミオは瑠唯で決定か………。


男子は『やっぱりか…』って顔してる。


ジュリエットは………


誰になるんだろう。



「結城くんのお相手、栄えあるジュリエット役を務めるのは………」



また張りつめた空気が流れる。


そりゃ緊張するけど…


空気だけで余計に緊張しちゃうじゃん…。



「ジュリエット役は………、
この方ぞ学園王子のお相手役に誠ふさわしい!
結城雅さんです!!!」



…結城さんかぁ~………。


瑠唯、結城さんとロミジュリやるんだ…。


…ダメダメ!


そんな露骨に嫌な顔したら、あたし本当に嫉妬深い嫌な女になる!!!


笑顔でいなきゃ!



「では、結城くんと結城さん。
前の方で一言どうぞ」



笑顔…笑顔。


笑顔だよ、スマイル!


笑顔でいなきゃ!



「…結城…さん………?」



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