アタシの弟。
委員の子があたしの顔を覗き込んできた。
結城…さん………
どっかで聞いたような…
「…あなたの名前は?」
「結城みや………」
ゆうきみやび。
ゆうき雅。
ゆう城雅。
結城雅………
「…はいっ!
あたしです!
あたし、結城さんです!」
そうだよ!!!
結城さん、あたしだよ!?
あたし、結城雅だよ!!
「…知ってるって」
ぽかーんとするみんなの前で、クスッ笑ったのが瑠唯だった。
その瑠唯の一言を皮切りに、みんなが笑い出した。
…あたし、また笑い者じゃん………
あたしは渋々前に出て、瑠唯の隣に並んだ。
「…では、改めてまして。
結城雅さん、瑠唯さん。
当選されたご感想は?」
ゴホンと咳払いをして、あるはずもないマイクの代わりにコブシをあたしの口元に近づけた。
「感想って言われても…
あ、あたしまだOKしてないんだけど!」
そうだった!
こんなのって、もし嫌な場合は拒否権ってあたしにあるんだよね?
「いえ、この選挙で当選された方に拒否権はございませんので」