アタシの弟。
これで間に合う♪
良かったーっ!
「瑠唯っ、ありがとねっ!」
あたしはバタバタ瑠唯の背中を叩いた。
「わかったから、おとなしくしろ!
ちゃんと掴まっとけ」
「…ひゃっ!」
「…何変な声出してんだよ?」
「………なんでもない…」
…だって、瑠唯がいきなり手引っ張ったりするから………
なんて、言えないもんね。
あたしたち、姉弟だよ?
あたしはお姉ちゃんで、瑠唯は弟。
…たとえ、血が繋がってなくてもね。
あたしたちは、12年前に姉弟になった。
あたしはお父さんの連れ子で、瑠唯はお母さんの連れ子。
たまたま同い年で、誕生日が1日違い。
だから、あたしが1日だけお姉ちゃんなんだ。
…とはいえ………
都合のいい時だけ、“お姉ちゃん”。
あとは、“1日だけ”だし。
たぶん、瑠唯は気づいてないけど…
あたしはずっと、瑠唯が好き。
初めて会った時から、ずっと。
もう12年、ずっと想ってる。
………だけど、姉弟の壁はかなり厚い。
同じクラスで、出席番号もひとつ違い。