シルバーブラッド 眠らぬ夜に
制服があるせいで、女の子達も通勤はラフな格好だ。

なかなかスーツ姿など拝める環境ではない。
 
席について座った女の人から視線を外して、食べ物を口に運んだ。
 
彼女は、女の連れと一緒だった。

あっちを誘ってきてくれってサインも、決めとけばよかった。
 
そう、真剣に思った。
 
そういう気のなさが通じたのか、浩之に絡み付いていた視線が、次第に浩之から興味を失っていくのが分かった。
 
牧野の計算通りだな。
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