シルバーブラッド 眠らぬ夜に
「いや、ほんの九割九分九厘ほど」

「あのなあ。

オレはちょっとだけ真剣に悩んでやったんだぞ。

ノーマルだと分かってほっとした」

浩之は笑いを緩やかに引っ込めた。

そして、真面目な顔で、牧野を覗き込む。

「誰がノーマルだって言った?」

牧野は、瞬間凍りついて、浩之を見た。

「かっこよく仕事してますって子が好みだって言っただけだ」

牧野は、固まったまま、浩之を見ている。

完璧な、沈黙。

と、牧野は笑った。

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