シルバーブラッド 眠らぬ夜に
逸脱
部屋に帰ると、真っ暗な中で留守電のランプが点滅しているのが見えた。
何をするより先に、習慣的に、再生ボタンを押した。
そして激しく後悔する。
「六件です」
そう告げられてテープが巻き戻され、再生されたのは、母上の声。
「明日は英樹の誕生日よ。分かってるわね。必ず帰ってきなさいよ」
かなり語尾の厳しいメッセージが、立て続けに五件入っていた。
「もう、いい加減にしてくれよ」
真っ暗な中で、ベットに背中から倒れこんだ。
何をするより先に、習慣的に、再生ボタンを押した。
そして激しく後悔する。
「六件です」
そう告げられてテープが巻き戻され、再生されたのは、母上の声。
「明日は英樹の誕生日よ。分かってるわね。必ず帰ってきなさいよ」
かなり語尾の厳しいメッセージが、立て続けに五件入っていた。
「もう、いい加減にしてくれよ」
真っ暗な中で、ベットに背中から倒れこんだ。