シルバーブラッド 眠らぬ夜に
けれど、一部、そうはならない人間もいるのだ。

それが英樹だった。

まっすぐに前を向いて歩けないほどに、それにこだわり続けていて。

『悲劇だな。喜劇、なのか』

英樹は子供返りをして両親の興味を引くことはしなかった。

その代わりに、良いお兄ちゃんを演じた。

演じながら、隠れて浩之を虐待したのだ。

そうすることで、自分の精神のバランスをとっていたようだ。

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