シルバーブラッド 眠らぬ夜に
短くなったマッチが指先を焦がして、驚いて、マッチも、コップも落とした。
 
床に落ちた火はすぐに消えて、月明かりだけの世界に戻った。

ビー玉が四方に散って転がっていく音が響いた。

それにまぎれて、床がめきっと音を立てた。

『めきっ?

おかしい』

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